ストレスがないといろいろなものが成立しないということがお分かりいただけたと思います。
そして、ストレスによる効果と疲労についても、少しだけ触れてみました。
これは人間の体にも適用できる話です。
例えば、立っていても座っていてもいいのですが、右腕を水平に前に伸ばしてください。
それからこの腕を、左手で押し下げようとしますが、右腕は、下がらないように保ってください。
そうすると、右腕に上向きの力が発生します。
これがストレスすなわち応力なんです
今まで、ストレスと一口に言ってきましたが、紛らわしいので整理するために2つの言葉で区別しましょう。
左手で押し下げる力のように外からくわえられる力を「ストレス刺激」
右腕を上げる力のように、刺激に対抗するために発生する力を「ストレス反応」
とします。
筋トレの原理は、実はこのストレス反応を利用したものなんですが、知ってました?
上の動作のように、右腕に上から負荷を与えるストレス刺激に対して、右腕の水平を維持しようとして筋肉に力を入れるストレス反応によって、右腕の筋肉はより強い刺激に耐えられるように筋繊維が太くなります。
これが・・ストレス反応の効果を利用した筋トレです。
ただし、効果を多く得ようと刺激を与え続けると、いずれ筋肉は耐えられなくなり、腕は下がってしまいます。
これが疲労ですね。
疲労した状態でも無理に刺激を与え続ければ、いずれ筋肉を傷めてしまうこともあります。
適度に休憩をしながら、疲労を回復してください。次のトレーニングはそれからです。
では、このことを心に当てはめてみましょう。
仕事でミスをして上司に叱られた。 これはストレス刺激ですね。
さあ、あなたはどうしますか?
すみません・・と謝る?
自分のせいじゃない・・と言い訳する?
ほかにもいろいろな反応が考えられます。
そうです、ストレス反応は、同じ刺激に対してであっても、人それぞれ違うんです。
でも、精神的には疲れます。
ただ、失敗の原因を探ったり対策を講じて次に備えるということを学びますね。
ですから、嫌な刺激であっても効果はあったということです。
ストレス刺激についても、嫌なことばかりがストレスではないんです。
映画を見たり、大好きな音楽を聞いたり、きれいな夕焼けを眺めたり、こういう体験もストレス刺激です。
感動的な体験をしたり興奮したり、泣いたり笑ったり、いろいろな反応があるでしょう。
こういう体験をした後でも、心はやはり疲れを感じます。
心に対するストレス刺激とストレス反応の場合も、筋肉と同じように効果と疲労を伴います。
だんだんわかってきましたか?
ストレス反応によって心に疲労がたまった状態で、ストレス刺激を受け続けると、いずれ刺激に対して正常な反応が起きにくくなるということがポイントです。
ストレス刺激に伴う反応の結果、発生した疲労は、早めに取り去ることが大切です。
生きていれば、ストレス刺激は必ず受けるものですから。
ですから、ストレス刺激はすべて悪いものではなく、ストレス反応も人それぞれに違うということが言えます。
ではなぜ・・ストレスが悪者になってしまったのでしょうか?
それはまた別の機会に書きますが、いずれにしても
ストレスは本当は怖くない
ということは言えます。
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