ずっと長い間、古代人の月世界に対する憧れや想像の上に書かれた物語だと思っていました。
事実そうなのかもしれませんが、カウンセラーの勉強を始めて学びを深めていくと、竹取の翁と媼の精神世界の話なのかなと思ったのです。
若いころに女の子を授かった竹取の夫婦、それは美しい娘に育った娘で評判になり高貴な家柄からも縁談が引く手あまたの自慢の娘。
ところが、竹取の夫婦は・・・値踏みを始めたわけです。
わが娘の幸せよりも、どれだけ裕福な家と縁ができるか、どれだけ地位の高い家柄と姻戚になれるか・・
姫は、豹変してしまった両親の姿を嘆き悲しみ、部屋に引きこもるようになった。
姫を妻に迎えたい殿御たちは、姫の心を慰めようと様々な贈り物をするが姫の心は晴れない。
気鬱の原因は解消されないから。
姫はさらに彼らに無理難題を押し付け・・・結果として・・彼らの多くは命を落としたり、大けがをしたり、ある者の家は没落したりして、悲劇を招く結果となった。
姫は、元のような無欲でおおらかな両親に戻ってもらいたかった、両親の元を離れたくなかった。
ただそれが言い出せずに一人で悩み苦しみ、そのはけ口を男たちに向けてしまったのだ。
結果として不幸な目に合わせてしまったが、そういうつもりは毛頭なかった。
だがその結果から、姫はさらに深い心の闇を抱えてしまうのだった。
竹取の夫婦は姫の真意もしらず、相変わらず縁談を受けてしまうが、その後は、どんなに良い縁談があっても姫は断り続ける・・・もうこれ以上人を不幸にしたくないから。
そんな噂が時の帝の耳に入る。
帝が姫を女御にと所望した。
竹取の夫婦はもちろん歓喜して躍り上がったろう。
時の権力者の望みはすなわち命令でさる。
さすがに姫もこればかりは拒むわけにはいかなかった。
入内の日が近づくにつれ、夫婦は浮足立ち、姫はますます気鬱になって行った。
そして、入内直前の満月の夜、姫は突如自らの命を絶つ!!
両親に宛てた遺書を残して・・・その遺書ですべてを知った竹取の夫婦は、悔やんでも悔やみきれないことをしてしまったことを悟った。
人が訪れることもなくなった家で年老いていく竹取の夫婦。
姫の死後ぽっかり空いてしまった自分たちの心の隙間を埋めるために。
姫は月の世界からやって来て、満月の夜に尽きの世界に帰って行ってしまったのだという・・物語を作り上げたのではないか。
と、そんな妄想をしています。
昔話について、精神世界の視点から見つめてみると、興味深いものだということがわかりました。
人はいつの時代も悩みや葛藤を抱えながら生きてきたのです、昔話の中にもこういうことを言いたかったのかという空想を巡らせることも、たまにはいいかもしれません。
事実はもう遠い昔のことなので知る由もありませんが、意外と「あれ?そうなのかもなあ」と思える部分もあるのではないでしょうか?
あなたのお悩み相談員 はぁとの駅ひたちなかの宇津野でした。
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